パソコン作業を続けていると、終業時間が近づくにつれて肩がどんどん重くなる。冷房の効いた職場で、首から肩までガチガチになる。
つくばで肩こりに悩む方から、よく伺うお悩みです。30代から60代まで年代は幅広く、共通しているのはデスクワークや、冷房が強い職場で働いていることです。
肩こりは、とても多くの人が抱える悩みです。国の調査(2022年 国民生活基礎調査)では、体の不調として自覚している症状のうち、肩こりは女性・男性ともに2番目に多い症状でした(※1)。
この記事では、肩こりを運動で改善したいと考えている方に向けて、理学療法士の立場から次のことをお伝えします。
- 肩こりに運動が役立つ理由
- ほぐしても戻ってしまう原因
- 整形外科・整体・マッサージ・ジムの使い分けと、肩こりがある人のジムの選び方
先に結論をお伝えすると、肩こりの多くは肩甲骨が動いていないことから起きています。そして肩甲骨が動かなくなる背景には、背中が丸まっている時間の長さと、つい力んでしまう癖があります。ほぐすだけでなく、力みのない自然な状態で動ける体をつくることが大切です。
肩こりは「運動」で変えられる
首や肩のつらさに対して、運動が役立つことは研究でも報告されています。首の痛みに対する運動療法をまとめた分析では、首・肩・肩甲骨まわりの運動が痛みの軽減に役立つ可能性が示されています(※2)。
パソコン作業が多い職場で働く、首や肩の筋肉の痛みがある女性48人を対象にした研究では、肩まわりの筋肉を鍛える運動を10週間続けたグループで、痛みが大きく減りました(最もつらいときの痛みが約8割減少)。一方、自転車こぎのような肩を使わない運動では、痛みの減り方はわずかでした(※3)。
つまり、ただ体を動かすだけでなく、肩や肩甲骨まわりを、正しく動かすことが大切だということです。
※効果には個人差があり、必ず改善するというものではありません。
なぜ、ほぐしても肩こりは戻るのか
マッサージを受けると、その日は楽になる。でも、数日もすればまた元通り。そんな経験はありませんか。
理学療法士として肩こりの方の体を見ていて、まず目につくのは肩甲骨が動いていないことです。肩甲骨は、本来は背中の上を滑るように大きく動く骨です。ここが固まると、首や肩の筋肉ばかりが働き続け、こりやだるさにつながります。

では、なぜ肩甲骨が動かなくなるのか。多くの方に共通しているのが、次の2つです。
① 背中が丸まっている時間が長い
パソコンやスマホを見ている間、背中は自然と丸まります。この姿勢が長く続くと、肩甲骨は外側に開いたまま固まり、動きにくくなります。終業時間が近づくほど肩こりが強くなるのは、丸まった時間が積み重なっていくからです。
② つい力んでしまう癖
集中しているとき、緊張しているとき、寒いとき。気づかないうちに肩をすくめたり、首や肩に力を入れたりしていませんか。冷房の強い職場では、寒さで体がこわばり、力みやすくなります。この力みが癖になると、肩甲骨のまわりが常に緊張した状態になります。
冷房による肩こりについては、夏なのに肩こりがひどい方へでも詳しく解説しています。
目指すのは「力みのない自然体」
だからこそ、マッサージで固まった筋肉をほぐすだけでは戻ってしまいます。大切なのは、力まずに、自然体で肩甲骨を動かせる体をつくること。私が指導するときも、いちばん意識しているのはここです。
整形外科・整体・マッサージ・ジムの使い分け
肩こりのときにどこへ行けばいいか、理学療法士としては次のように使い分けることをおすすめしています。
| 行く場所 | こんなときに | 役割 |
|---|---|---|
| 整形外科 | 腕や手のしびれ、握力の低下などがあるとき | 首の神経など、重い原因がないかを確認する |
| 整体・マッサージ | こりや張りが強くてつらいとき | つらい症状をやわらげる(その場の対処) |
| ジム(運動) | ほぐしてもすぐ戻る/毎日のように夕方になるとつらい | 肩甲骨が動く体をつくり、戻りにくくする |
整体やマッサージが悪いわけではありません。つらいときに楽になる価値があります。ただ、受け身のケアは効果が一時的になりやすいため、自分で動かして戻りにくい体をつくることを組み合わせるのがおすすめです(※2)。
先に病院へ行ってほしいサイン
次のような症状がある場合は、運動よりも先に、整形外科を受診してください。首の神経の問題が隠れていることがあります。
- 腕や手にしびれがある
- 握力が落ちている、手に力が入りにくい
- 安静にしても治まらない、だんだん強くなる痛みがある
Kick&Coreでも、体験の前にこうしたサインがないかを確認し、当てはまる方には先に受診をおすすめしています。
肩こりがある人のジムの選び方3つ
① 肩甲骨や姿勢を見てもらえるか
同じ肩こりでも、原因は人によって違います。最初に、肩甲骨の動きや背中の丸まり具合を確認してもらえるジムを選びましょう。
② 力み癖まで見てもらえるか
肩こりの方は、運動中にも肩に力が入りやすい傾向があります。力んだまま運動すると、かえって肩まわりが緊張してしまいます。フォームだけでなく、力みに気づいて声をかけてもらえるかが大切です。
③ 続けられるか
肩こりは、毎日の姿勢や癖から生まれます。だからこそ、続けることがいちばんの近道です。通いやすさ、料金、楽しさも含めて選びましょう。つくばのパーソナルジム全体の選び方や料金相場は、つくばのパーソナルジムの選び方と料金相場で解説しています。
Kick&Coreでの肩こりへの進め方
肩こりで来られる方に多いこと
Kick&Coreには、30代から60代まで、幅広い年代の方が肩こりの相談に来られます。多いのは、デスクワークの方や、冷房の強い職場で働く方です。「パソコン作業をしていると、終業時間が近づくにつれてどんどん肩こりが強くなる」というお話をよく伺います。
肩甲骨が自然に動く体をつくる運動
理学療法士が、肩甲骨の動き、背中の丸まり具合、力みの癖を確認したうえで、次のような運動を組み合わせます。
| 運動 | 肩こりへのねらい |
|---|---|
| キックボクシング | 力まず、リラックスしたパンチで肩甲骨を大きく前後に動かす。全身の血流も上がる |
| マットピラティス | 丸まりやすい背中(胸椎)を動かし、姿勢を支える力を育てる |
| ファンクショナルトレーニング | 肩だけに頼らず、全身を連動させて動けるようにする |
肩こり改善のためのパンチは、力いっぱい打つのではありません。リラックスした状態で、肩甲骨が自然に動くように打つことが大切です。力んでしまうと、かえって肩まわりが緊張してしまいます。最大4名の少人数制なので、力みに気づいたらその場で声をかけます。料金は料金プランのページをご覧ください。
お客様の声
実際に通われている方から、こんな声をいただいています。
「ひどい肩こりで頭痛になることが多かったのですが、通い始めて1〜2ヶ月経つ頃には頭痛がなくなりました。パンチの動きが気持ちよくて、肩まわりが軽くなるのを実感しています」
※個人の感想です。効果には個人差があります。
仕事中にできる、肩こりセルフケア
デスクワークの合間に、できる範囲で取り入れてみてください。痛みやしびれが強くなる場合は中止してください。

- 1時間に1回、肩甲骨を動かす:両ひじを曲げて後ろに引き、肩甲骨を背骨に寄せる。ゆっくり戻して数回くり返す
- 背中を伸ばして胸を開く:座ったまま背筋を伸ばし、ゆっくり深呼吸する。丸まった時間をこまめにリセットする
- 力みに気づいて、ストンと抜く:肩を耳に近づけるように一度すくめてから、息を吐きながら力を抜く。力んでいた自分に気づくきっかけになる
- 冷房の職場では、首・肩を冷やさない:羽織りものやストールで、体がこわばるのを防ぐ
肩こりと運動に関するよくある質問
肩こりがひどいのですが、運動しても大丈夫ですか?
多くの場合、無理のない範囲で肩甲骨や肩まわりを動かすことは役立ちます。ただし、腕や手のしびれ、握力の低下、安静にしても治まらない痛みがある場合は、先に整形外科を受診してください。
マッサージや整体だけではダメですか?
ダメではありません。こりや張りが強いときに楽になる価値があります。ただ効果は一時的になりやすいため、自分で肩甲骨を動かして戻りにくい体をつくることを組み合わせるのがおすすめです。
キックボクシングで肩こりがひどくなりませんか?
力いっぱい打つと肩に力が入ってしまいますが、肩こり改善のためのパンチは、リラックスして肩甲骨を大きく動かすように打ちます。力みに気づいたら、その場で声をかけて調整します。
ストレートネック(スマホ首)にも効果はありますか?
ストレートネックの改善には、首だけでなく背中(胸椎)の動きと、体幹の安定が大切です。ピラティスやファンクショナルトレーニングで、この両方にアプローチします。
肩こりからくる頭痛にも効果は期待できますか?
首まわりが原因で起こるタイプの頭痛に対して、首・肩の運動が役立つ可能性が報告されています。個人差はありますが、当スタジオでも「肩こりに伴う頭痛が軽くなった」という声をいただいています。急に強い頭痛が起きた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
運動経験がなくてもついていけますか?
大丈夫です。Kick&Coreの会員の89%が運動初心者からのスタートです。理学療法士がその日の体調に合わせて強さを調整するので、体力に自信がない方でも無理なく取り組めます。
まとめ:肩こりは「ほぐす」から「力まず動かす」へ
- 肩こりは、女性・男性ともに2番目に多い体の不調
- 肩こりの多くは、肩甲骨が動いていないことから起きている
- 背中が丸まる時間の長さと、つい力んでしまう癖が、肩甲骨を固める
- 腕や手のしびれ、握力の低下がある場合は、先に整形外科へ
- ほぐすだけでなく、力みのない自然体で肩甲骨を動かせる体をつくる
つくばで、肩こりを運動で改善したいと考えている方は、まずは体験で、あなたの肩甲骨の動きや力みの癖を、理学療法士と一緒に確かめてみてください。質問だけでも構いません。
参考文献:※1 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」(自覚症状のある人の症状別:女性は腰痛・肩こり、男性は腰痛・肩こりの順に多い)。※2 Gross A, et al. Exercises for mechanical neck disorders. Cochrane Database Syst Rev 2015;CD004250/Gross AR, et al. Massage for neck pain. Cochrane 2024。※3 Andersen LL, et al. Effect of two contrasting types of physical exercise on chronic neck muscle pain. Arthritis Rheum 2008;59:84-91。※「肩甲骨が動いていない・背中の丸まりと力み癖」は理学療法士の臨床上の考え方で、すべての肩こりに当てはまるものではありません。本記事は一般的な健康情報の提供を目的としたもので、診断・治療を目的とするものではありません。監修:高任良知(理学療法士)

