夜中、ふくらはぎの激痛で目が覚める。「また足がつった…」——夏になると増えるこの悩み、なぜ起きるのでしょうか。
結論から言います。足がつる原因は、実はまだ完全には解明されていません。ただ近年の研究では「筋肉の疲労」が重視されており、ふくらはぎの筋力低下がつりやすさに深く関わると考えられています。 つまり、サプリや水分だけでなく「ふくらはぎの体力」から見直す価値があるのです。
つくば市天久保のセミパーソナルジムKick&Coreの理学療法士が、原因の最新の考え方と予防策を解説します。
※週に何度もつる、日中や安静時にもつる、しびれ・痛みが続く場合は、糖尿病や血管の病気などが隠れていることがあります。セルフケアの前に医療機関を受診してください。
「足がつる」の原因は、2つの説がある
長年「汗で水分とミネラル(電解質)が失われるから」と説明されてきました。いまもよく聞く説明です。しかし、この説を裏付ける科学的証拠は実は弱く、近年の研究では別の説が有力になっています。
「筋肉の疲労によって、神経のコントロールが乱れる」という説です(※1)。 疲れ切った筋肉では、「縮め」という信号が過剰になり「緩め」という信号が効かなくなる——このアンバランスが、意思と無関係な強い収縮=「つる」を引き起こすという考え方です。現在は「原因は一つではなく、複数の要因が重なる」というのが研究者の共通見解で、水分・ミネラル不足の関与もゼロではないと考えられています。
理学療法士の現場の実感も「筋疲労説」と一致します
スタジオで足がつりやすい方の体を見ていると、共通するのはふくらはぎの筋力低下です。
ふくらはぎは、立つ・歩くだけで常に使われ続ける筋肉です。筋力が低下していると、日常生活だけで「これ以上動けない」ところまで疲労してしまい、疲れ切った筋肉を無理やり使い続けることになる。その結果、過剰に疲労して、つる——これが私の臨床的な理解で、最新の筋疲労説とも一致します。
さらに、前重心で立つ癖がありふくらはぎが常に緊張している方、足首が硬い方も、ふくらはぎに余計な負担がかかり、疲労が溜まりやすい状態です。
なぜ夏に増えるといわれるのか
- 発汗による水分・ミネラル不足——夏は汗で失う量が増えるため、つりやすくなると言われています(従来説。関与はゼロではないと考えられています)
- 冷房による冷えと血流低下——ふくらはぎが冷えて硬くなりやすい環境も、一因と考えられています
- 見落とされがちな「夏の運動不足」——ここが理学療法士としての着眼点です。寒い室内と暑い屋外の行き来で体がだるくなり、自然と活動量が落ちる。動かないことでふくらはぎの筋力・体力が落ち、少しの負荷でも疲労し切ってしまう筋肉になる——夏は「つりやすい筋肉」が作られやすい季節なのです
つった時の対処
慌てず、膝を伸ばしてつま先をゆっくり手前に引き、ふくらはぎを伸ばします。反動をつけず、痛みが引くまでじわっと。落ち着いたら軽くさすって血流を促してください。
つらないための予防——4つのアプローチ
① 就寝前のふくらはぎストレッチ
就寝前のストレッチで夜間のこむら返りが減ったという研究報告があります(※2)。壁に手をついてアキレス腱を伸ばす要領で、左右30秒ずつ。
② ふくらはぎを鍛える——私が最も重視するポイント
かかと上げ(カーフレイズ)を1日10〜20回。筋力の余裕は疲労への余裕です。「疲れ切らない筋肉」を作ることが、筋疲労説から導かれる最も理にかなった予防だと考えています。
③ 水分はこまめに。ただしサプリには注意
夏の水分補給は健康の基本としてもちろん大切です。ただ正直にお伝えすると、マグネシウムなどのサプリメントについては、一般的なこむら返りへの有効性は科学的に裏付けられていません(国際的な評価機関コクランのレビューでも否定的です/※3)。サプリに頼る前に、体側の準備を整えるほうが確実です。
④ 心拍数を上げる運動で「夏の活動量低下」を断ち切る
冷房生活で下がった活動量を、意識的に取り戻します。心拍数がしっかり上がる運動で全身とふくらはぎの体力を底上げすることが、遠回りに見えて根本の予防です。
つくばの方へ——車社会の夏は「つりやすい体」に
つくばは車社会で、ただでさえ日常的に歩く機会が少ない土地です。そこに夏の冷房生活が重なると、ふくらはぎの活動量はさらに落ちます。「夏になると毎年つる」という方は、水分やミネラルの前に、まずふくらはぎの体力そのものを見直してみてください。
Kick&Coreでは、理学療法士が足首の硬さ・重心・ふくらはぎの筋力まで含めて評価し、つりやすさの背景にあるあなたの体の癖に合わせた運動を組み立てます。キックボクササイズで心拍を上げ、ふくらはぎを含む全身を動かす——「夏のつりやすい体」を根本から変える設計です。最大4名・1回40分・93%が運動初心者。
料金は月4回13,980円〜(1回あたり2,298円〜・回数繰り越しOK・在籍縛りなし・違約金なし)。詳しくは料金プランのページをご覧ください。つくば市天久保1-17-15 BellBox101(駐車場あり)。
よくある質問
Q. ほぼ毎晩つります。運動すれば治りますか?
頻繁につく場合は、まず医療機関で基礎疾患がないか確認してください。そのうえで、ふくらはぎの筋力づくりに取り組むのが安全な順序です。
Q. 水をたくさん飲めば防げますか?
こまめな水分補給は大切ですが、それだけで防げるという科学的裏付けは十分ではありません。ストレッチと筋力づくりを組み合わせることをおすすめします。
Q. ストレッチはいつやるのが効果的ですか?
夜間につる方は就寝前がおすすめです。研究でも就寝前ストレッチで頻度が減ったという報告があります。
Q. 運動不足でも足はつりますか?
はい、むしろ運動不足こそ要注意です。筋力が低下したふくらはぎは日常生活だけで疲労し切ってしまい、つりやすくなると考えられています。
まとめ:足がつるのは「ふくらはぎの体力不足」のサインかも
- 原因は未解明。ただし近年は「筋疲労」が重視されています——水分・ミネラルだけの問題ではありません
- 夏は「つりやすい筋肉」が作られる季節——冷房→活動量低下→筋力低下の悪循環
- 予防の柱はストレッチ×ふくらはぎ強化——サプリの科学的裏付けは乏しいのが実情です
- 頻繁につる場合はまず受診を
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参考文献:※1 Schwellnus MP. Cause of exercise associated muscle cramps (EAMC). Br J Sports Med 2009(運動関連筋けいれん研究の代表的レビュー。神経筋制御の乱れを重視)+Sports Med 2019 総説/※2 Hallegraeff JM, et al. Criteria in the assessment of night-time calf cramps. J Physiother 2012(就寝前ストレッチのRCT)/※3 Cochrane Systematic Review:Magnesium for skeletal muscle cramps(マグネシウム補給の有効性は乏しいと評価)。
※本記事は一般的な健康情報で、診断・治療を目的とするものではありません。監修:高任良知(理学療法士)

