更年期に運動しても痩せない理由|見るべきは体重ではありません

階段を軽やかに上る40代後半の女性
目次

更年期に運動しても痩せない——結論からお答えします

運動を続けているのに体重が減らない。その理由は、あなたの努力不足でも、運動が効いていないからでもない可能性があります。日本人女性の更年期は、体重がほとんど変わらないまま、体の中身だけが入れ替わっていくことが研究で分かっているからです。

つまり体重計は、この時期のあなたの変化を映せない道具だということ。この記事では、更年期に「痩せない」と感じる本当の理由を研究データで整理し、そのうえで理学療法士として、何を見て・何をすればいいのかをお伝えします。

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こんな変化を感じていませんか

  • とにかく疲れやすい。以前と同じことをしているだけなのに、夕方にはぐったりしている
  • 体型が急に変わった。特にお腹まわり。服のシルエットが違ってきた
  • 足が上がりにくくなって、つまずくようになった。何もない場所でつまずいて驚いた

当店に来られる40代後半〜50代の方が、実際に口にされる言葉です。特に3つ目の「つまずくようになった」は、体重には決して表れない変化ですが、体の中で起きていることを正直に教えてくれるサインでもあります。

「代謝が落ちたから」は、実は正確ではありません

更年期の体重増加は「基礎代謝が落ちるから」と説明されることがほとんどです。けれど、この説明は最新の研究では支持されていません。

2021年に科学誌Scienceで発表された研究では、生後8日から95歳までの大規模なデータを、二重標識水法という精度の高い方法で解析しました。その結果、筋肉量(除脂肪量)で補正した1日のエネルギー消費量は、20歳から60歳までの成人期を通じて安定していたのです。妊娠中でさえ変わらず、低下が始まるのは60歳を過ぎてからでした。

この結果が意味することは、はっきりしています。

代謝が悪くなったのではありません。代謝してくれる筋肉が減っただけです。

この違いは、とても大きいと私は考えています。「代謝が落ちた」なら年齢のせいで諦めるしかありませんが、「筋肉が減った」なら、取り戻す手段があるからです。

日本人女性のデータが示す、「痩せない」の正体

では、更年期に筋肉はどう変わるのか。世界的に有名な長期追跡研究(SWAN研究)が、2019年に答えを出しています。

更年期の移行が始まると、脂肪が増えるスピードが2倍になり、同時に筋肉量が減っていく。この変化は最終月経の2年後まで続きます。

そして、日本人女性にとって見逃せない結果がここにあります。研究に参加した日本人女性は、筋肉量は減ったにもかかわらず、体重と脂肪量は変化しませんでした。

体重は変わらない。でも筋肉は減っている。——「体重は増えていないのに、体型が崩れた気がする」「運動しているのに数字が動かない」という感覚は、気のせいではなかったということです。体重計という道具では、この変化を捉えられません。

正直にお伝えします:体重を落としたいなら、運動だけでは足りません

ここは誠実にお伝えしたい部分です。更年期・閉経後の女性を対象にした複数の研究をまとめた分析(系統的レビュー・メタ分析)では、体重を減らす効果は、運動単独よりも食事の見直しのほうが大きいという結果が出ています。

ただし、同じ分析で「食事+運動」は「食事だけ」より優れていることも示されています。さらに別の試験では、同じ体重を減らした場合でも、運動を組み合わせたほうが皮下脂肪の減り方が大きかったという結果もあります。同じ体重でも、中身が違うのです。

つまり運動は「体重を減らす主役」ではなく、食事の効果を高め、減らしてはいけないもの(筋肉)を守る役割だと考えるのが正確です。逆に言えば、運動なしの食事制限だけでは、ただでさえ減りやすい時期の筋肉をさらに失う可能性があります。

食事は「カロリーの把握」と「タンパク質」から

ダイエットや減量が目的の方には、当店でも食事の話をさせていただきます。といっても厳しい制限ではありません。まず大事にしているのは、自分が今どのくらい食べているかを把握すること、そしてタンパク質が足りているかの2点です。筋肉を守りたい時期に、その材料が不足していては始まりません。

体重の代わりに、何を見ればいいのか

当店の会員さんには、体重ではなくこの3つを見てもらっています。

  • 写真の変化——月に一度、同じ場所・同じ服で撮っておく。数字より正直です
  • 服のサイズ感——同じ服をどう着られるか。体重が同じでも変わります
  • 日常動作の快適さ——階段、立ち上がり、荷物を持つとき。ここを一番大事にしています

特に3つ目です。動きの質が変われば、疲れにくさが生まれます。体に余計な力みがなく、インナーマッスルがしっかり体を支えている状態かどうか——当店ではここを毎回チェックしています。同じ動作を、より少ない努力でこなせるようになる。それは体重には表れませんが、生活そのものが変わる変化です。

更年期世代の運動で、私が気をつけていること

この年代の方を指導するとき、若い世代と意識的に変えている点があります。

  • 休憩を多めにとる——追い込むことより、最後まで質を保つことを優先します
  • 種目を慎重に選ぶ——体の状態に合わないものは、効果より先に負担が出ます
  • 一気に負荷を上げない——基礎的な動きから始めて、段階的に上げていきます
  • その日の体調と翌日の予定に合わせる——同じ人でも日によって最適な強度は変わります

更年期の時期は、体調に波があるのが自然です。「今日は軽くしましょう」と言える環境かどうかは、続けられるかどうかを大きく左右します。

なお、強い倦怠感・気分の落ち込み・不正出血など気になる症状がある場合は、運動の前に婦人科など医療機関にご相談ください。運動は医療の代わりにはなりません。

実例:体重ではなく、生活が変わった方

当店に通われている40代後半の方の例です。来られた当初は体力の低下が著しく、小走りをするのもつらい状態でした。階段を上ればすぐに息が切れてしまう。

いまはどうなったか。数百メートル離れたご自宅から、走ってジムに通えるようになりました。旅行先で階段を上り下りする機会があっても、億劫がらずに過ごせるようになったそうです。

この方の変化は、体重の数字ではほとんど説明できません。けれど本人にとって、走れるようになったこと・旅行を楽しめるようになったことは、体重が何キロ減るよりも大きな出来事だったはずです。更年期の運動が取り戻すのは、体重ではなく生活のほうです。

つくばで更年期世代の運動を始めるなら

つくば市天久保のKick&Core(つくば駅から車で3分)は、理学療法士(国家資格)が運営する最大4名・1回40分のスタジオです。会員の約93%が運動初心者から始めており、3ヶ月継続率は94%です。

初回はカウンセリングと動作チェックから始めます。体重ではなく、あなたの体が今どう動いているかを見て、そこから何をするかをご提案します。キックボクシングフィットネス/マットピラティス/ファンクショナルトレーニング(買い物袋を持ち上げる・階段を上るなど、日常の動作がラクになるトレーニング)から、目的と体調に合わせて選べます。

40代で体重が増え始めた原因についてはこちらの記事、日常の動作をラクにするトレーニングについてはこちらの記事で解説しています。料金は料金ページをご覧ください。

よくある質問

更年期に運動しても体重が減らないのはなぜですか?

日本人女性の場合、更年期の移行期には筋肉量が減る一方で、体重と脂肪量はあまり変化しないことが研究で示されています。体重が動かないことと、運動が効いていないことは別です。体重ではなく、写真・服のサイズ・日常動作の快適さで判断することをおすすめします。

更年期の体重増加は、運動だけで戻せますか?

体重を減らすことが目的なら、運動だけでは不十分なことが多いです。研究では食事の見直しのほうが体重への効果が大きく、食事と運動の併用が最も良い結果を示しています。ただし運動なしの食事制限は筋肉をさらに失うリスクがあるため、両方を組み合わせるのが現実的です。

更年期はどんな運動が向いていますか?

特定の種目が唯一の正解ということはありません。大切なのは、体調の波に合わせて強度を調整できることと、筋肉を守れる内容であることです。体調に波がある時期なので、「今日は軽くする」を選べる環境かどうかが、続けられるかを左右します。

疲れやすくて運動する元気がありません。それでも始めて大丈夫ですか?

疲れやすさ自体が、筋肉量の減少や動きの質の低下と関係していることがあります。ただし強い倦怠感が続く場合は、他の原因が隠れていることもあるため、まず医療機関にご相談ください。そのうえで運動を始める場合は、軽い強度から段階的に進めることが大切です。

「体重が減らないから、意味がないのかもしれない」——そう感じているなら、一度だけ見る場所を変えてみませんか。体験では、あなたの体が今どう動いているかを理学療法士が一緒に確認します。体験は無料です。

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参考文献:Greendale GA, et al. Changes in body composition and weight during the menopause transition. JCI Insight. 2019.(PMID: 30843880)/Pontzer H, et al. Daily energy expenditure through the human life course. Science. 2021.(DOI: 10.1126/science.abe5017)/Effects of dietary and exercise intervention on weight loss and body composition in obese postmenopausal women: a systematic review and meta-analysis. Menopause. 2018.(PMID: 29533366)

監修:高任良知(理学療法士) 更年期に減っているのは、体重ではなく筋肉です。だから体重計を見ても、あなたの努力は映りません。階段が軽くなった、つまずかなくなった——そちらを数えてください。/本記事は理学療法士としての臨床経験と公開文献に基づく一般的な情報提供であり、効果を保証するものではありません。症状が気になる場合は医療機関にご相談ください。

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この記事を書いた人

高任 良知のアバター 高任 良知 理学療法士・Kick & Core代表トレーナー

Kick & Core代表トレーナー・理学療法士(国家資格)。病院・整体院での臨床経験を経て、つくば市天久保のセミパーソナルジムKick & Coreで最大4名の少人数制キックボクシング・ピラティスを直接指導。
【保有資格】理学療法士国家資格/PHIピラティスインストラクター MATⅠ&Ⅱ・PROPS/Fascial Manipulation Level 1〜3/Crush & Core Bodywork Instructor/Vision Assessment Trainer/ファスティングマイスター

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