「毎年夏になると体がだるくて、外出するのも億劫…」「去年より体力が落ちた気がする」——そんな経験はありませんか?
結論から言います。夏バテには、休むより「軽い運動」のほうが効果的です。
「疲れているのに動くの?」と思うかもしれません。でも、夏バテの本当の原因を知ると、なぜ運動が必要なのかが明確になります。この記事では、つくば市のセミパーソナルジムKick&Coreで指導している理学療法士が、運動を含む夏バテ予防・回復の方法を文献に基づいてわかりやすく解説します。
つくばの夏に夏バテしやすい3つの理由
① デスクワーク・在宅ワークで体を動かさない時間が長い
つくば市は研究機関やオフィスが多く、デスクワークや在宅ワークの方がとても多い地域です。一日中座ったまま過ごしていると、体を動かす機会がどんどん減っていきます。
体を動かさない日々が続くと、暑さに対応する力(※暑熱順化=暑い環境に体が慣れる仕組み)が落ちていきます。ちょっと外出しただけで「だるい、疲れた」となりやすくなるのはこのためです。
② 外の暑さと部屋の冷房の温度差が体に負担をかける
外に出ると猛暑、建物の中はエアコンでひんやり。この「暑い↔寒い」を1日に何度も繰り返すことで、体の調整機能(※自律神経=体温・心拍・消化など体のあらゆる「自動調整」を担う神経)が疲れてしまいます。
急な温度変化が続くと乱れが生じ、だるさ・食欲不振・眠れないといった夏バテ症状につながります(※1)。つくば市は海から遠い内陸にあるため海風が届きにくく、猛暑日・真夏日が多い都市です(※2)。室内外の温度差が大きくなりやすい環境といえます。
③ 毎年「夏」が長くなっている
気象庁のデータによると、猛暑日が続く期間は年々長くなっています(※2)。「毎年夏になると体が辛い」という方は、その影響が少しずつ積み重なっている可能性があります。夏に強い体を先につくっておくことが、年々重要になっています。
夏バテを予防・回復する5つの方法
夏バテ対策は「一つをがんばる」より、複数を組み合わせることが効果的です。以下の5つを日常に取り入れることで、夏の体調管理がぐっとラクになります。
方法① 水分・塩分をこまめに補給する
夏は汗をかくことで、体内の水分と塩分(ナトリウム)が同時に失われます。水だけを補給すると体内の塩分濃度が薄まり、だるさや頭痛の原因になることがあります。
環境省の熱中症マニュアルでは、スポーツドリンクや経口補水液(※水に塩分とブドウ糖を適切なバランスで溶かした飲み物)を20〜30分おきにコップ1〜2杯ずつ補給することを推奨しています。日常生活では1日あたり1.2リットル程度を目安に、口が渇く前にこまめに飲むことが大切です(厚生労働省)(※3)。
方法② 食事のバランスを整える——ビタミンB群とタンパク質を意識する
夏バテで食欲が落ちると、そうめんやうどんなど炭水化物だけで済ませがちになります。するとエネルギーを作るのに必要なビタミンB群(※糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変える際に必要なビタミンの仲間)やタンパク質が不足し、ますます疲れやすくなります。
農林水産省は、ビタミンB1が豊富な豚肉(牛肉の約12倍含有)を夏バテ予防食材として推奨しています。また、冷たいものの摂りすぎは胃腸の働きを低下させ、食欲不振をさらに悪化させる原因にもなります。旬の夏野菜(トマト・ゴーヤなど)と組み合わせて、少量でも栄養バランスのとれた食事を意識することが大切です(※4)。
方法③ 寝室の温度を整えて、深い眠りをつくる
「なんとなく眠れない」「朝起きてもだるい」が続くと、それ自体が夏バテを悪化させます。厚生労働省の「睡眠ガイド2023」では、寝室の温度・湿度が寝つきや睡眠の深さに直接影響すると明記されています。
快適に眠れる室温の目安は26〜28℃以下です(厚生労働省「睡眠指針2014」)。エアコンを適切に使いながら、毎日同じ時間に起き、体内時計(※脳にある約24時間周期の生体リズム調節機能)のリズムを乱さないことも重要です。冷やしすぎも自律神経の乱れを招くため、温度設定には注意が必要です(※5)。
方法④ シャワーだけでなく、ぬるめのお湯に浸かる
夏は「シャワーで済ませてしまう」という方が多いですが、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることが夏バテ解消に効果的です。
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、40℃程度のお湯に10〜15分入浴すると自律神経のリラックスモードが優位になり、入浴後に体の内部温度がゆっくり下がる過程で深い眠りにつきやすくなります。就寝の1〜2時間前の入浴が特に効果的とされています(※6)。シャワーだけでは体の自動調整機能のリセット効果が得にくく、疲労感が蓄積しやすいとされています。
方法⑤ 適度な運動で体の「自動調整機能」をリセットする
夏バテで体がだるいとき、多くの方はとにかく安静にしようとします。しかし、休んでいるだけでは根本的な原因が解決しません。
自律神経(体の自動調整機能)を整えるには、心拍数を上げて、その後ゆっくり落ち着かせる時間をつくることが必要です。複数の研究でも、適度な有酸素運動が体の自動調整機能を改善することが確認されています(※7)。
さらに、コペンハーゲン大学の研究では、たった2週間の運動停止で若い人でも筋力の約3分の1を失う可能性があると報告されています(※8)。夏こそ、意識的に体を動かすことが大切です。
ただし、寝る直前の激しい運動は逆効果です。夕方より前に、軽めの運動をすることがポイントです。
【実例】週1回の運動で、たった2ヶ月で変わった
Kick&Coreに通うある会員さんは、「毎年夏になると体がだるくて走れない。外出するのも億劫になる」という悩みを持ってご入会されました。
週1回のペースでトレーニングを続けること、2ヶ月弱——。
「走れるようになった。外出しても息が切れなくなってきた。特に外出先で階段を一息に上っても、以前みたいにぜーはーぜーはしなくなった」
毎日ハードなトレーニングをしたわけではありません。週1回・無理のない強さで続けただけです。それでも、日常の中でしっかり体の変化を感じられるようになります。
「夏は休んだほうがいい」は間違い——Kick&Coreからのメッセージ
「夏に動くのはキツい」という気持ちはよく分かります。ただ、こんなふうにお伝えしています。
「夏に運動をやめると、じわじわと体力が落ちていきます。年々暑い時期が長くなってきているから、それに対応できる体をつくっておくことが大事です。その日の体調や運動中の心拍数を確認しながら進めるので、やりすぎる心配はありません」
Kick&Core 理学療法士
夏こそ、専門家の目があるジムで「ちょうどいい強さ」で動くことが、最も安全で効果的な方法です。
Kick&Coreでできる夏バテ対策の運動
キックボクシング——全身を内側からほぐして体力をつける
休憩をしっかり挟みながら全身を動かすことで、冷房とデスクワークで固まった体を内側からほぐすことができます。体力をつけるのにちょうどよい強さで動けます。ペースは一人ひとりに合わせて設定できるため、体力に自信がない方でも翌日に疲れを残さずスッキリ終えられます。
ピラティス——体の奥の筋肉を動かして体を整える
ゆっくりとした動きで体の奥の筋肉(※インナーマッスル=体を支える深い部分の筋肉)を使うピラティスは、体の自動調整機能を落ち着かせる効果があります(※9)。「夏の疲れが抜けない」「夜なかなか眠れない」という方に特に向いています。
夏バテ中に避けるべき運動
- 炎天下での屋外ランニング(熱中症のリスクが高く、体への負担が大きすぎます)
- いきなり激しいトレーニング(夏バテ中は体の回復力が落ちているため逆効果です)
- 急に運動を止める・クールダウンをしない(心臓への負担が増します)
よくある質問
夏バテで体がだるいとき、運動してもいいですか?
はい、大丈夫です。ただし「軽め」にすることが大切です。だるさの多くは体の自動調整機能の乱れや血流の低下が原因で、軽く動くだけで改善することがほとんどです。Kick&Coreでは心拍数を確認しながら進めるので、やりすぎる心配はありません。
夏バテ回復に効果的な運動は何ですか?
全身を動かしながら、適度に休憩できる運動が最適です。Kick&Coreのキックボクシングは、自分のペース・こまめな休憩・強さの調整ができるため、夏バテ気味の方でも無理なく参加できます。
運動すると余計に疲れませんか?
強さが合っていれば、「動いたあとのほうがスッキリした」と感じる方がほとんどです。翌日に疲れが残らない強さで動くことが大切で、Kick&Coreではその場でトレーナーが一緒に調整します。
つくばで夏でも涼しく運動できる場所はありますか?
Kick&Coreは冷房完備の室内ジムです。外の暑さを気にせず、快適な環境でトレーニングできます。
まとめ:夏に強い体は、夏につくる
- 水分・塩分補給——口が渇く前に、20〜30分おきにこまめに飲みます(環境省推奨)
- 食事の栄養バランス——ビタミンB群(豚肉など)とタンパク質を意識して夏バテを防ぎます(農林水産省推奨)
- 睡眠環境の整備——室温26〜28℃に保ち、毎日同じ時間に起きるリズムをつくります(厚生労働省推奨)
- 入浴習慣——就寝1〜2時間前に40℃・10〜15分の入浴で深い眠りをつくります(厚生労働省推奨)
- 適度な運動——週1回・無理のない強さで続けるだけで、体力が回復します(複数研究で確認)
Kick&Core(キックアンドコア)では、体力に自信がない方・夏バテ気味の方でも安心して動ける環境を整えています。「今年こそ夏バテに負けない体をつくりたい」という方は、まずは体験レッスンからお気軽にどうぞ。
参考文献・データ出典
- ※1 大正製薬 大正健康ナビ「夏バテの原因は、自律神経の乱れ」/せたがや内科・神経内科クリニック「寒暖差疲労外来」
- ※2 気象庁 過去の気象データ(つくば館野 観測点47646)/気象庁 東京管区気象台「茨城県の気候変化」
- ※3 環境省「熱中症環境保健マニュアル2018」/厚生労働省「熱中症予防リーフレット2022年」
- ※4 農林水産省「夏バテを防止するには?(2022年7月)」/「夏バテに気をつけましょう(令和3年7月)」
- ※5 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」/「健康づくりのための睡眠指針2014」
- ※6 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」/「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- ※7 Yoo J. et al. (2024)「有酸素運動が心拍変動に与える効果:システマティックレビューとメタアナリシス」PMC11250637 / 日本allied health sciences誌「運動後の自律神経活動」J-STAGE
- ※8 コペンハーゲン大学研究「たった2週間の運動不足で筋肉は大幅減少」(糖尿病ネットワーク掲載)
- ※9 信州大学・県立広島大学「睡眠に対する運動の効果——睡眠時の自律神経バランスに注目して」デサント財団研究紀要


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