「なぜ“インナーマッスル=体幹”と誤解されてしまうのか」

「インナーマッスルって体幹のことでしょ?」お客様と会話をする中でよく聞かれるワードの1つです。現在、多くの人が「インナーマッスル=体幹」と誤解しています。しかし実際は、肩・股関節・膝など全身の関節ひとつひとつに存在し、動きの安定を生み出す筋群です。今回は理学療法士の立場から、インナーマッスルについて解説していきます。

目次

なぜ「インナーマッスル=体幹」と誤解されてしまうのか

「インナーマッスルを鍛えたい」と言うと、多くの方が“お腹まわり”を思い浮かべます。
実際、膝や股関節にあるインナーマッスルのトレーニングを紹介すると「えっ、ここにもインナーマッスルってあるんですね!」と驚かれることが少なくありません。

インナーマッスルは、体幹だけでなく全身の関節ひとつひとつに存在します。
私たちが立つ・歩く・腕を伸ばす動作をスムーズに行えるのは、この筋肉のおかげです。ではこの「インナーマッスル=体幹」というイメージはどのようについたのでしょうか?

フィットネス業界の“体幹ブーム”が原因

2010年ころ日本では「体幹トレーニング」がブームになりました。 特に特に2014年には当時のサッカー日本代表、長友佑都選手の体幹トレーニング本がベストセラーに選出。その影響から「体幹」という言葉が一般的になり始め、それに伴って「体幹の筋肉=インナーマッスル」という誤解が定着しました。

先ほども解説したように実際は肩・股関節・膝・足首など全身の関節に存在する深層筋群がインナーマッスル。何も体幹だけにあるのではありません。

体幹のイメージが強い分、それぞれの関節にあるインナーマッスルは蔑ろにされていることが多い印象を感じています。

「部分の筋トレ」が全身の連動を分断してしまう

「インナーマッスル」と同時に「アウターマッスル」というものが私たちの体には存在します。
アウターマッスルは体の表面に近い筋肉で大きな力を発揮するのに有利という特徴があります。一般的なジムにあるマシンなどで鍛えているのはこの「アウターマッスル」。

しかし、インナーが働かないままアウター(外側の筋肉)だけを動かすと、体幹と四肢のタイミングがずれ、体がバラバラに動くようになります。本来全身の筋肉や関節が連動して動いている私たちにとってこれは致命的。特に歩行では、股関節インナーと体幹の協調が崩れると、膝や腰が余分な負担を背負い、痛みや疲れを招きます。

臨床で感じる“誤解の連鎖”

「体幹を鍛えているのになかなか腰痛が改善しない」
「股関節が詰まる感じが抜けない」
「なんとなく動きにくいし、常に力んでいて疲れてしまう」
こうした悩みの多くは、体幹部分と手足の連動性が途切れているサイン。これらを再び繋げるのがインナーマッスル。

この前提が間違っていると体幹のインナーマッスルは鍛えも、膝や肩、股関節などのインナーマッスルは全くの手付かずの状態に。結果として、どんどん体の連動性が離れてゆくという悪循環に陥ってしまいます。

実は全身にあるインナーマッスル|股関節を例に

股関節は体幹と下半身を繋ぐ重要部位

股関節は体の中でも大きな可動域を持つ関節。歩く・立つ・座るなど日常の様々な場面で活躍しています。
この股関節を安定させているのが、深層外旋筋群(梨状筋・内外閉鎖筋など)や腸腰筋と呼ばれる筋肉。これらはいわゆる股関節のインナーマッスルたちです。これらの筋肉は股関節を大きく動かすためではなく、股関節の動きを滑らかに、無駄がないようにする役割を担っています。

インナーマッスルの3つの役割

インナーマッスルには私たちの体を守ってくれる大きな3つの役割があります。

役割内容の例
安定性(Stability)股関節を動かす際、関節が綺麗に無駄なく動くように調整をする役割。
タイミング(Timing)歩く際に体幹の筋肉と連動し、全身の関節や筋肉に加わる負担を減らす。
感覚(Sensation)股関節がどのように動いているのか、どんな体制なのかを脳へ伝えるセンサー機能。動作がより正確に行えるように。

インナーマッスルが弱りこの機能が十分に発揮できなくなると、動作がぎこちなく・疲れやすくなったり、関節や体を痛めやすくなってしまいます。

まずはチェック!あなたのインナーが働いていないサイン

姿勢のサイン

  • 背筋を伸ばすと腰が疲れる
  • 肩を開くと息が苦しい→ 自動的な体幹支えが失われています。

動作のサイン

  • 片脚立ちで骨盤が落ちる
  • 歩くと腰や太ももが張る→ 体幹と股関節のタイミングがズレています。

感覚のサイン

  • どこを動かしているかわからない
  • 呼吸が浅く力が抜けない→ インナーの感覚センサーが鈍っています。

理学療法士の臨床感
痛みのある人ほど「自分の体の動かし方がわからない」と言います。
まずは“感じる力”を取り戻すことが、改善の第一歩です。

自宅でできる|インナーマッスルを呼び起こすドリル3選

① 呼吸で“体の芯”を起こす

仰向けで膝を立て、ゆっくり鼻で吸って口で吐く。
お腹が静かに引き込まれる感覚を探す。
→ 腹横筋・骨盤底・横隔膜の協調を再起動。

② 足裏と股関節をつなぐ「重心のゆらぎ」

立位で体重を前後・左右にゆらし、
股関節の奥が自然に支える位置を感じる。
→ 関節センタリングの再教育に最適。

③ 肩甲骨ワイパーで体幹をつなぐ

四つ這いで肩甲骨を左右に滑らせる。
→ 上肢と体幹の連動改善、猫背予防。

💡ポイント
インナーは「回数」より「感覚」。
1日5分でも“支えられている感覚”を得ることが目的です

よくある質問|期間・食事・痛みへの配慮について

Q1. 効いてる感じがしません
正常です。インナーは力感が薄い筋肉。
2〜3週間で「姿勢が楽」「呼吸が深い」といった変化が出ます。

Q2. どれくらいで効果が出る?
多くの人が3〜4週で実感、6〜8週で姿勢や歩行が変化します。
これは筋力ではなく“神経−筋協調”の再学習期間です。

Q3. 痛みがあるときは?
無理に動かさず、位置感覚を回復する呼吸ドリルから。
構造的な痛みが強い場合は専門家へ相談を。

Q4. 食事は関係ある?
特別な制限よりも水分と食事リズムを整えることが大切。
体の感覚を鈍らせないことが回復の基本です。

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