筋トレ?有酸素?どっちが先?目的別トレーニングの最適な順番を徹底解説!

つくばのジム運営をする理学療法士が解説。筋トレと有酸素運動どちらが先だとダイエットに効果的か
つくばのジム運営をする理学療法士が解説。筋トレと有酸素運動どちらが先だとダイエットに効果的か
目次

なぜ「トレーニングの順番」が重要なのか?

24時間ジムなどで運動を始めるとき、「筋トレから?それとも有酸素から?」と迷った経験はありませんか?
実は、この順番の違いが、ダイエットや筋力アップの効果に大きく影響することをご存知でしょうか。

筋トレと有酸素運動は、それぞれ体内で起こす反応が異なります。順序によって脂肪の燃え方や筋肉の成長の仕方、体にかかる負荷まで変わってくるため、「何を目指すか」によって取り組み方を工夫することがとても大切なのです。

ここからは、「順番が変わると何が違うのか?」を分かりやすく解説していきます。

同じ内容でも「順番次第」で効果が変わる

たとえば、30分の筋トレと30分の有酸素運動。これを「どちらを先にやるか」だけで、脂肪燃焼のスピードや筋肉のつき方が大きく変わるという研究結果があります。

これは、体が運動中に脂肪のエネルギーを使うのか、筋肉内のエネルギー(糖質)を使うのか、どのホルモンが分泌されるかといった代謝の反応が関係しています。たとえば、有酸素運動の前に筋トレを行うと、脂肪を分解するホルモン(成長ホルモンなど)が活性化されて、そのあとの有酸素運動で脂肪が燃えやすくなるという仕組みが働くのです。

逆に、筋肉を育てたいのに先に有酸素運動をしてしまうと、筋トレの質が落ちたり、筋肉合成がうまく進まなかったりと、“やってるのに成果が出ない”状態に陥ってしまうことも。

このように、たとえ同じ内容の運動でも、順番を間違えると期待する効果が半減してしまうのです。

あなたが「何のために運動するのか」が鍵

もっとも大切なのは、「あなたが何を目指して運動しているか」という“目的”の明確化です。

脂肪を燃やしたい(ダイエット)
筋肉をつけたい(ボディメイク・引き締め)
健康維持のために運動を続けたい

どの目的であっても、筋トレと有酸素の両方にメリットはあります。ただし、順序を工夫するだけで、その日の運動の“成果”が倍にも半分にもなるということを知っておいて損はありません。

このあと、「脂肪燃焼が目的の人」「筋肉を増やしたい人」それぞれにとって最も効果的な順番を、科学的根拠をもとにわかりやすく解説していきます。

【目的別】最適な筋トレと有酸素運動の順番はこれ!

ダイエット・脂肪燃焼が目的の人におすすめの順番

ダイエットや脂肪燃焼が目的の方は筋トレ→有酸素がおすすめ!

つくばのジムが解説。脂肪燃焼やダイエットが目的の場合は筋トレから有酸素運動がおすすめ。

筋トレ→有酸素がベストな理由

脂肪を効率よく燃やしたいなら、「筋トレ → 有酸素運動」の順番が最も効果的です。
なぜなら、筋トレ(無酸素運動)を先に行うことによって脂肪燃焼を促すホルモン(アドレナリン・成長ホルモン)が分泌されます。これらのホルモンの働きによって脂肪細胞が“燃焼待機状態”になるからです。

つまり、筋トレを最初に行うことで、体が脂肪を燃やす準備を整え、有酸素運動でその脂肪をしっかり燃やせるようになるというわけです。

効率よく脂肪を燃やす“2ステップ”

  1. 筋トレで脂肪分解をスタート
     → 筋トレを行うことで先に糖質がエネルギーとして使用される。その後ホルモンの影響によって、内臓脂肪や体脂肪が血中に放出される(=燃えやすい状態)
  2. 有酸素で脂肪を燃焼
     → 有酸素運動中、血中に放出された脂肪が効率的にエネルギーとして使われる

この2ステップを踏むことで、有酸素運動の“最初から最後まで”脂肪燃焼効率が高い状態をキープできます。

筋トレの時間は10~15分でOK

「筋トレを入れるのは大変そう…」と感じるかもしれませんが、10~15分の短時間でも十分な効果があります。

とくに、脚や背中などの大きな筋肉を使う動き(スクワットやデッドリフトなど)を取り入れることで、短時間でも脂肪分解を促すホルモンの分泌が期待できます。時間が特にない場合は下半身をたくさん使う筋トレがおすすめです。

ダイエット目的なら、“軽めでもいいから筋トレを先にやる”という順番が、結果的に一番効率的です。

筋肉を大きくしたい人におすすめの順番

筋肉を大きくして引き締めていきたい方は筋トレのみがおすすめ!

つくばのジムが解説。体を大きくしたり、引き締めたい方は筋トレと有酸素運動は別日がおすすめ

有酸素運動が筋肥大の邪魔をする理由①

筋肉をしっかり育てたい場合、筋トレ直後の時間帯がとても重要になります。

筋トレをすると、筋肉では「これから筋肉を修復・成長させよう!」という信号(タンパク質合成を高めるシグナル)が発せられます。
ところが、このタイミングで有酸素運動をしてしまうと、体がエネルギー節約モードに入り、筋肉合成を止めてしまうという作用があるのです。

せっかく筋トレで与えた刺激が、有酸素運動によって“無かったこと”になってしまうのは非常にもったいないですよね。

ベストなタイミングは「3時間以上空ける」または「日を分ける」

そのため、筋肉を大きくしたいなら、以下のような工夫が効果的です。

  • 筋トレと有酸素の間に3時間以上空ける
    → タンパク質合成が一段落した後なら、影響を受けずに済みます。
  • 日を分けて行う(例:筋トレは月・水・金、有酸素は火・木)
    → どちらの効果も最大限に引き出せる理想的なスタイルです。

時間を確保しづらい人でも、筋肥大を優先したい日は有酸素を控えめにするなど、目的に合わせた工夫をしましょう。

有酸素運動が筋肥大の邪魔をする理由②~パフォーマンス低下要注意~

もうひとつの重要なポイントは、「疲労した状態で筋トレをしないこと」。

有酸素運動を先に行って筋肉が疲れてしまうと、筋トレで発揮できる力(パフォーマンス)が下がってしまうため、効果的な筋刺激が入らず、筋肉が育ちにくくなってしまいます。

筋疲労がある状態では集中力や注意力が低下し、怪我や効かせたい筋肉に刺激が入りにくくなるといった弊害も。

筋トレでしっかり追い込んで筋肉を育てたいなら、フレッシュな状態で筋トレを行い、その後に有酸素運動を入れるか、別日に分けるのが理想です。

数分程度のランニングなどで体を温めることは怪我の危険性をさげることができるので、おすすめです。

あくまで筋トレ前後の長時間(10分以上)の有酸素運動は筋肥大には向かないということを覚えておいてください。

筋肉を大きくしたい人は、筋トレ前後の有酸素運動はNG
運動前のウォーミングアップ程度の有酸素運動はOK!

目的に合った順番で
運動の「効果」を最大化しよう!

ダイエットも筋肥大も「順序次第」で成功率が変わる

筋トレと有酸素運動をどちらも取り入れるのは素晴らしいことですが、順番を間違えると「思ったように効果が出ない」こともあるのが現実です。

実際、脂肪燃焼を狙う場合と筋肉を増やしたい場合では、優先すべき運動がまったく異なります。

同じ1時間のトレーニングでも、順番ひとつで効果が数倍変わる可能性があることを、ぜひ意識してみてください。

やみくもにやらず、「目的」から逆算する

何をすればいいかわからないからとりあえず始める…その気持ちはとてもよく分かります。

ですが、「なぜ運動するのか?」という目的を明確にすることが最短ルートです。

  • 体脂肪を減らしたい? → 筋トレ→有酸素
  • 筋肉を育てたい? → 筋トレと有酸素は別日に

このように、目的から逆算して順番を決めることで、同じ努力でも得られる成果は大きく変わります。あなたの目的に合った運動の順序で、理想の体に一歩ずつ近づきましょう。

脂肪燃焼しつつ
ボディラインを整えたい時は?

脂肪燃焼とボディラインを整えて軸の通った綺麗な姿勢やくびれなどを作りたい場合はどうすればよいのか。

ここまでの内容を踏まえると、筋トレ(無酸素運動)がメインな日と有酸素運動がメインな日を分けることがおすすめです。

パーソナルジムなどのトレーニングではなかなか有酸素運動に時間をとることはありません。

有酸素メインのレッスンと無酸素メインのレッスンを組み合わせて自分史上最高の肉体になりましょう!

【まとめ】
目的別・トレーニング順番の比較表

スクロールできます
目的最適な順番理由補足
脂肪を燃やしてダイエットしたい筋トレ →
有酸素運動
筋トレにより脂肪が分解され、
有酸素で効率よく燃焼できる
筋トレは10~15分程度.大筋群を中心に
筋肉を大きくしたい時間を空ける or 日を分ける有酸素運動がタンパク質合成を妨げるため、筋トレの効果を打ち消してしまう恐れがある最低でも3時間空ける
または別日に分ける
健康維持・運動習慣づくり好きな順番でOK続けることが何より大切。
“気持ちよく続けられる”ことを優先
強度は軽め.日々の疲れを考慮して調整

このように、目的に応じて順番を変えるだけで運動効果は大きく変化します
「なんとなく運動する」から卒業して、自分のゴールに向かって効率よく体を変えていきましょう!

【参考文献】
1.石井直方 (監修). いちばんわかる!やせる筋トレ. 宝島社. 2017年.
2.Hawley, J. A. (2009). Molecular responses to strength and endurance training: Are they incompatible? Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism, 34(3), 355-361.
3.Paoli, A., Grimaldi, K., D’Agostino, T., Neri, M., Bianco, A., & Palma, A. (2011). Effects of high-intensity circuit training with resistance exercise on energy expenditure and postexercise oxygen consumption. Journal of Sports Science and Medicine, 10(Suppl 13), 22-26.

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